「製造中断」という失敗で痛感したこと。製造現場を視野に入れた設計・開発の重要性

現在担当している仕事

現在所属する部署は、セラミック基板および厚膜印刷基板の製造と開発を行っており、私は主にセラミック基板の設計・開発を担当しています。生産現場の不具合解析やその改善策提案など、製造サイドのサポートも業務の一つ。当社のセラミック基板は、パソコンや家電をはじめ幅広い製品に採用されていますが、中でも特徴的な製品の一つに「LEDセラミックパッケージ基板」があります。高輝度・高反射のセラミック基板とリフレクタを独自に開発、これによって光の利用効率を高め、LEDの可能性をさらに広げるものです。どの製品の設計・開発においてもお客様のニーズ・要求スペックをいかに満たすかを考えること、そして製造工程の合理性や効率性を考えることが大切です。そのため、常に広い視野で物事を見ることを心がけています。

仕事で何かを発見した瞬間

設計・開発の仕事は、モノづくりの上流工程にあります。そして、最終的に製品として市場に送り出すには、製造工程を経なければなりません。入社当社は、自分の設計業務に没頭するあまり、製造現場に対する配慮が欠けていました。製造において問題が発生する場合、さまざまな要因がありますが、一つには設計・開発段階でのミスがあります。ミスがない場合でも、製造の難易度が高い設計、非効率な設計等々、設計によって製造現場に大きな負荷をかけてしまうことがありました。こうした経験から、改めて製造現場を熟知する重要性に気付きました。製造業である以上、円滑に価値ある製品を作ることが第一に求められます。一人よがりにならず、設計・開発の時点から製造現場のことを考えたモノづくりに取り組んでいます。

これまでで一番印象に残っている仕事

製造現場の重要性に気付いたきっかけとなった出来事が、一番印象に残っています。それは入社当初の頃。私の設計に不備があったため、製造が中断してしまったことがありました。原因の一つは、製品に対する理解が足りなかったことです。その時は、周囲のサポートもあり、工程に遅れは出たものの、納期に間に合う形で製品設計ができました。この出来事があって以来、設計・開発が担う責任の大きさを自覚するようになり、自分で特許の文献調査を進め、設計に必要な製品の理解を深めました。また、製造現場に何度も足を運び、自社製品の製造工程の理解に努めるようになりました。

今後の目標

これからも、自分の頭の中で描いた製品を数多く世の中に出していきたいと思います。私たちが開発する電子部品は、基板の小型化・多層化・高密度化技術などの結晶です。それら技術の進化に挑戦していくことで、より多くの製品に採用されるセラミック基板を開発していきたい。それらは、社会を支え、社会の発展に寄与するものであると確信しています。当面の目標は、技術者として人間として尊敬する先輩方の背中を追いかけ追いつくこと。そしていつの日か、先輩方を追い抜く技術者に成長したいですね。

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