役職や勤続年数の壁を取り払った意見交換会で現地社員のレベルアップを促進する

現在担当している仕事

日本カーバイド工業のベトナム拠点「NCI(VIETNAM)」では、ベトナム国内向けの各種ステッカーの印刷、製造、販売を行っています。入社5年目から私はベトナムに赴任して、研究開発部門、品質管理・品質保証部門、営業部門でゼネラルマネージャーを任されています。研究開発部門では、ステッカーのデザイン設計から材料選びや加工方法を決定するまでを統括。品質管理・品質保証部門では、製品の品質基準の管理を担当。営業部門では、お客様の窓口として、見積対応など製品価格の交渉を担当しています。研究開発から販売までトータルに関わった製品と、街中で再会できるのが、ここでの仕事の醍醐味の一つです。

これまでで一番印象に残っている仕事

NCI(VIETNAM)では当初、問題に対して、現場の勘と経験に頼って解決する傾向がありました。しかし、これでは不具合の根絶や、技術の水平展開につながらないと考え、赴任から2週間後、異なる部署のメンバーを集め、発生原因と解決策を話し合うミーティングを実施しました。初めは、管理職からは現場の実情から乖離した意見が出され、作業者からも建設的な意見が出ませんでした。そこで、役職や勤続年数に関わらず、各部署の代表として意見を述べられるよう工夫をしたところ、多様な意見が出るようになりました。その結果、部署間で蓄積されたノウハウが共有され、現地社員がお客様に問題点の説明から改善提案までできるようになりました。他にも、マネージャー・開発担当者・品質管理担当者に製造作業を体験する機会を与えるなどしています。これらの取り組みを通して部署間の壁を無くし、業務改善を急速に進めています。

力を入れて取り組んでいること

2007年から日本カーバイド工業は、平面的なステッカーに加え、立体的なエンブレムの開発に取り組んでおり、私は入社4年目の時、ベトナムのエンブレム工場の立上げに関わりました。引き続きベトナムに常駐し、研究開発から品質管理・品質保証、営業のサポート業務を担当。初めての海外で複数の業務を担当し実感したのが、一人でできることには時間的に限界があるということです。当初は一人で仕事を抱え込もうとして、対処しきれず悩んだものです。そこで、現地マネージャーや管理職スタッフに仕事のノウハウを伝授し、自分と同じ業務を担当できる人材の育成に取り組みました。特に独自のノウハウとして教えてきたのが、図やマークを用いて、自分の意思を周囲に伝える方法です。文字だけではなく、絵でイメージを伝えることで、理解スピードが早まることから、個人的に続けている方法なのですが、今では現地スタッフにも広まっており、スピーディーな情報共有に役立っています。

今後の目標

ベトナムではノウハウの蓄積や情報の共有化に注力してきましたが、まだ特定の作業員しかできない作業があるなど、課題は残っています。そこで、特定の人に頼る作業を極力減らす取り組みを行っています。具体的には、さまざまなトラブルへの対策をまとめたテキストの作成や、作業ノウハウをパソコンでいつでも確認できる情報ネットワークの構築などです。将来的には、他の海外拠点とノウハウをやりとりできるグローバルな情報ネットワークなど、より円滑で効率的に業務を遂行できる仕組みの整備、構築に携わりたいと考えています。

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