新しい樹脂の量産化に向けた取り組み。スケールアップの壁を超える手応えを実感

現在担当している仕事

入社以来4年間、栃木県佐野にある研究所で、溶剤系粘着剤の研究開発に携わっていました。その後、研究開発の知見を活かせるとして、製造課に異動となり現在に至っています。私の所属する製造課は、パソコンの液晶画面などに使用される光学系粘着剤をメインに製造しており、私は生産管理を担当しています。具体的には、お客様が要望する納期や在庫の現状を把握し、品不足・過剰在庫にならないように優先順位を決め、生産計画を立てます。そして生産計画に合わせて必要な原材料をタイミングよく調達し製造を行い、できあがった製品については、品質を確認する作業を行います。また、トラブルが起こった際には原因究明および改善・対策を実施し、早急な解決を目指します。このように、製造現場と密に連携して円滑な生産を実現し、お客様に満足いただける製品を生み出す役割を担っています。

仕事で何かを発見した瞬間

生産管理の仕事に求められるのは、的確な判断と迅速な対応であると実感した瞬間がありました。製造課に異動してしばらくして、塗料向け樹脂の生産が設備トラブルでストップしたことがありました。原因は樹脂の過剰反応。納期が迫っている中での緊急事態でした。問題は事態をいかに収拾し、生産を早期回復することでした。その時、私の上司は設備の交換・整備を直ちに指示、続いて、樹脂処方調整をすみやかに決定し、設備は無事再稼働、品質・納期を守ることができました。それを実現できたのは、お客様に絶対に迷惑はかけないという強い意志と、的確な判断と迅速な対応があったからです。以来、この時の上司の的確な判断と迅速な対応は、私が常に心がけているものであり、目指す姿勢となっています。

これまでで一番印象に残っている仕事

最近、光学系の新規樹脂の生産ラインを立上げたことです。新しい製品は研究開発セクションからスタートします。ラボで樹脂処方が決定した新製品は、続いてパイロットプラントで製造試験が行われ、最後に量産用の実機へと展開します。この、パイロットプラントから実機へのスケールアップが難関です。同じ処方でもスケールアップすると反応挙動が変わります。一定の温度で粘度の状態を確認しつつ反応を観察していくのですが、パイロットプラントは手動、一方で実機は自動という制御の違いもあり、想定した性能・品質の製品が実機でスムーズに製造できない状態が続きました。その難関をクリアするため原料の検討を加え処方を変えるなど、試行錯誤の末、お客様の要求品質、納期を満たす新しい樹脂の供給を実現。大きな達成感、やりがいを感じた取り組みでした。

今後の目標

製造課には、毎月目標とする生産量があります。それを滞りなく達成し続けることが私の目標です。そのために重要なことは他部門との密な連携です。営業部門とは、お客様のニーズについて絶えず情報共有することで月産目標達成を目指しています。研究開発部門とは、研究開発の過程で得られた情報を共有することで、新製品の立上げがスムーズに運ぶよう心がけています。今後も各部門との円滑なコミュニケーションを図っていく中で、月産目標を達成していきたいと思っています。そうした取り組みが、技術者として成長するバネになるものと思っています。

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