様々な条件に基いて繰り返した実験結果が新たな発見につながる

現在担当している仕事

主に医薬品の原薬や、原薬になる前段階の製品である中間体などの研究に携わっています。条件を変えながら実験を繰り返すことで品質を改善し、工場での量産化を実現するまでが現在のミッションです。普段の業務で心がけているのは、製造コストの削減です。入社1年目に扱ったテーマでは、高品質の製品を作ろうとするあまり、労力をかけすぎて、コストパフォーマンスの悪い製品を開発してしまいました。現在は過去の反省を活かし、1つの工程で複数のデータを得ることで工数を省くなど、コスト削減にこだわった結果、スマートな製造法を確立することができました。医薬品の他、農薬や電子材料などの研究・開発にも幅広く携わっています。

これまでで一番印象に残っている仕事

入社2年目に担当した医薬品原薬の開発において、原料を交換したところ、従来は0.01%未満を保っていた不純物が0.1%程度現れ、純度規格を満たさなくなるといった問題が発生しました。そこで、まず行ったのが、不純物がどうすれば多く発生するのかを調査することでした。さらに、発生した不純物をかき集め、単離精製を行い、さまざまな分析結果から化合物の構造決定を行いました。こういったプロセスから原因部分を突き止め、不純物の発生を抑えることが可能になりました。この時の経験から今では自分だけのオリジナル手法を確立し、日々の業務に手応えを感じています。

この仕事の醍醐味

いくつも想定した条件で実験を行っていると、さまざまな分析値を得ることができます。しかし、いつも長い時間をかけて研究ができるわけではありません。そこで最近は「次にこんな実験を行うと、このくらいの数値になるだろう」というシミュレーションを行うことで、作業効率の向上を目指しています。今はまだ予想が外れることが多く、一から条件を考え直して実験を繰り返すことが多いです。しかし少しずつ予想通りの結果が出ることも増えてきていますので、今後も試行錯誤をしながら、新たな研究手法を確立していきたいと考えています。

今後の目標

長期間にわたって利益を上げ続けることができるような製品の開発や、これまでにない画期的な新技術の確立に携わりたいと考えています。実際、昨年からは、これまで化成品開発研究部では着手したことがなかった新しい反応技術の確立に取り組んでいます。この技術が確立すれば、今まで当社では作ることができなかった製品を製造したり、既存製品を大量生産したりすることが可能になります。この取り組みをはじめ、後輩に対して誇れるような足跡を一つでも多く残すことが現在の目標です。

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